[お知らせ]


2014年7月3日木曜日

平成26年度第4回薬剤師のジャーナルクラブの開催のお知らせ

本年度第4回抄読会を以下のとおり開催いたします!
ツイキャス配信日時:平成26713日(日曜日)
■午後2045分頃 仮配信
■午後2100分頃 本配信
なお配信時間は90分を予定しております。

※フェイスブックはこちらから→薬剤師のジャーナルクラブFaceBookページ
※ツイキャス配信はこちらから→http://twitcasting.tv/89089314
※ツイッター公式ハッシュタグは #JJCLIP です。
ツイキャス司会進行は、精神科薬剤師くわばらひでのり@89089314先生です!
ご不明な点は薬剤師のジャーナルクラブフェイスブックページから、又はツイッターアカウント@syuichiaoまでご連絡下さい。

[メタ分析をはじめからていねいに]
本年度は3回にわたり、ランダム化比較試験の考え方使い方を取り上げてきました。第4回目はいよいよメタ分析の読み方を解説していきます。
メタってなんでしょうかね。メタ的なんて言葉がありますけど…。
メタとはより「高次の」と言うような、理論を解釈するための理論(メタ理論)というイメージでしょうか。すなわち一つのランダム化比較試験だけでなく複数の研究結果を統合して解析したものをメタ分析と言います。
詳しくは昨年度第4回薬剤師のジャーナルクラブのお知らせをご覧ください。

症例11:溶連菌感染症に用いるべき抗菌薬とは?

[仮想症例シナリオ]
あなたは小科の方箋を受けることの多い保険薬局の局長です。どうやら、溶連菌の感染症が流行しており、本日もみ合っています。あなたの局に今年の4月新入社員として配された薬剤師のAさんは、だいぶ業務にも慣れて、今月から服指導も担しています。午前の外が終わり、MRさんの対応ませたあなたは、休憩室へ入ると、Aさんが話しかけてきました。

局長、ちょっと質問よろしいでしょうか!岩先生の、抗菌え方い方、という本にはA群“溶連菌は100%ペニシリンに感受性がある”と書いてありまして、溶連菌にしてはペニシリン耐性を考慮しなくて良いと思っていました。今日の溶連菌感染症の患者さん、小ではパセトシン細粒(アモキシシリン)でしたけど、成人ではバナン錠(セフポドキシム)が出ていましたよね、あれってどうなんですかね。小とおなじく、パセトシン錠でよいと思うのですが…。3世代セフェムって吸いし、そもそもグラム陰性菌狙いじゃないですか。理論的に考えたら余計な抗菌スペクトルもあるし、確かに服用回は少なくてみますが、あまり良い選だとは思えないんですけど…」

確かに成人の溶連菌感染症患者さんにはバナン錠が方されていました。投量は400mg/日分2と添付文書上の最大用量でした。吸いとはいえバナン錠のバイオアベイラビリティは501)3世代セフェムの中では良い方であり、そもそもペニシリンで10日間治療しても除菌失敗による再152) あると知っていたあなたは、成人での溶連菌感染症において、バナン錠での治療果がペニシリンとくらべてどの程度差があるものなのか、Aさんと一に調べてみました。

1)バナン®錠インタビュフォ
2)感染症レジデントマニュアル第2版(2013医学書院)

[文献タイトル・出典]
Casey JR1, Pichichero ME. Meta-analysis of cephalosporins versus penicillin for treatment of group A streptococcal tonsillopharyngitis in adults.  Clin Infect Dis. 2004 Jun 1;38(11):1526-34. Epub 2004 May 11. PMID: 15156437


[ワークシートはこちらを使用します!]

[プライマリケアのセッティングにおける抗菌薬の適正使用]
溶連菌はグラム陽性球菌ですよね。A群β溶連菌は急性咽頭炎の原因微生物として有名です。ペニシリンやアモキシシリンへの感受性は良好でほぼ100%と言われています。ちなみにマクロライドでは感受性は60%~70%となっており、肺炎球菌ほどでないにしても耐性菌はかなり深刻な状況です。これらをふまえて、通常抗菌薬はペニシリンを用いますよね。本邦ではバイシリンGやパセトシンなどを用いることが多いかと思いますが、薬局薬剤師であれば実際にはセフェムやペネムが処方されるケースも多く経験するのではないでしょうか。
抗菌薬の適正使用、薬剤師とって重要なテーマだと思います。ただ抗菌薬の適正使用は感染症診療と一体となっている部分も多くあり、薬局で取り扱う外来処方箋というセッティングでは、なかなか薬剤師が抗菌薬の適正使用に介入していくことが難しいと思います。今回はあえて、薬局薬剤師という設定で感染症治療について取り上げてみました。外来処方における薬剤師としての感染症治療への関わり方、そして「抗菌薬の適正使用」という名のバイアスはないか、メタ分析の論文を取り上げながら様々な視点で考えていきたいと思います。ポイントは溶連菌感染症における真のアウトカムとは?です。


薬剤師のジャーナルクラブ(Japanese Journal Club for Clinical Pharmacists:JJCLIPは臨床医学論文と薬剤師の日常業務をつなぐための架け橋として、日本病院薬剤師会精神科薬物療法専門薬剤師の@89089314先生、臨床における薬局と薬剤師の在り方を模索する薬局薬剤師 @pharmasahiro先生、そしてわたくし@syuichiao中心としたEBMワークショップをSNS上でシミュレートした情報共有コミュニティーです。

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