急性虚血性脳卒中の臨床試験論文ではそのアウトカムにスコアを使用することが多く
スコアそのものを理解していないと、論文の結果を解釈しづらいことも多いと思います。
以下は個人的に今まで読んだ論文のアウトカム採用されたスコアです。
集中治療における脳卒中治療論文を読む際の参考になれば幸いです。
(1)modified Rankin Scale(mRS)
Prognosis. Scot Med J 1957; 2: 200-215
Stroke 1988;19:604-7
慢性期において脳卒中による障害を評価するスケール。
0:まったく症状なし
1:症状はあるが特に問題となる障害なし(通常の日常生活および活動はすべて可能)
2:軽度の障害(以前の活動のすべてはできないが,自分のことは介助なしにできる)
3:中等度の障害(一部介助を必要とするが,介助なしに歩行できる)
4:比較的高度の障害(介助なしに歩行や日常生活を行うことは不可能)
5:高度の障害(寝たきり,失禁,常に看護や注意を必要とする)
6:死亡
(2)National Institutes of Health stroke scale(NIHSS)
Stroke 2001;32:1310-7
脳卒中急性期の重症度評価法で各項目の合計点数が大きいほど重症
意識レベル(質問)
0:2問とも正答,1:1問正答,2:2問とも誤答
0:2問とも正答,1:1問正答,2:2問とも誤答
意識レベル(従命)
0:両方の指示動作が正確に行える,1:片方の指示動作のみ正確に行える,
0:両方の指示動作が正確に行える,1:片方の指示動作のみ正確に行える,
2:いずれの指示動作も行えない
注視
0:正常,1:部分的注視麻痺,2:完全注視麻痺
0:正常,1:部分的注視麻痺,2:完全注視麻痺
視野
0:視野欠損なし,1:部分的半盲,2:完全半盲目,3:両側性半盲
0:視野欠損なし,1:部分的半盲,2:完全半盲目,3:両側性半盲
左腕
0:10秒保持可能(下垂なし),1:10秒以内に下垂,2:重力に抗するが10秒以内に落下,
3:重力に抗する動きがみられない,4:まったく動きがみられない
0:10秒保持可能(下垂なし),1:10秒以内に下垂,2:重力に抗するが10秒以内に落下,
3:重力に抗する動きがみられない,4:まったく動きがみられない
右腕
0:10秒保持可能(下垂なし),1:10秒以内に下垂,2:重力に抗するが10秒以内に落下,
3:重力に抗する動きがみられない,4:まったく動きがみられない
0:10秒保持可能(下垂なし),1:10秒以内に下垂,2:重力に抗するが10秒以内に落下,
3:重力に抗する動きがみられない,4:まったく動きがみられない
左脚
0:5秒保持可能(下垂なし),1:5秒以内に下垂,2:重力に抗するが5秒以内に落下,
3:重力に抗する動きがみられない,4:まったく動きがみられない
0:5秒保持可能(下垂なし),1:5秒以内に下垂,2:重力に抗するが5秒以内に落下,
3:重力に抗する動きがみられない,4:まったく動きがみられない
右脚
0:5秒保持可能(下垂なし),1:5秒以内に下垂,2:重力に抗するが5秒以内に落下,
3:重力に抗する動きがみられない,4:まったく動きがみられない
0:5秒保持可能(下垂なし),1:5秒以内に下垂,2:重力に抗するが5秒以内に落下,
3:重力に抗する動きがみられない,4:まったく動きがみられない
感覚
0:正常,1:異常
0:正常,1:異常
言語
0:正常,1:軽度の失語,2:高度の失語,3:無言,全失語
0:正常,1:軽度の失語,2:高度の失語,3:無言,全失語
無視
0:正常,1:軽度の無視,2:高度の無視
0:正常,1:軽度の無視,2:高度の無視
(3)Barthel Index
日常生活動作(ADL)の評価指標。10項目について0-15点で採点。
すべて自立していれば100点,すべて介助してもらっていれば0点
カッコ内は点数(自立、部分介助または一部可能、全介助または不可能)の順
*食事(10,5,0)
*車椅子からベッドへの移乗(15,5-10,0)
*整容(5,0,0)
*トイレ動作(10,5,0)
*入浴(5,0,0)
*歩行(15,10,0)(車はこの場合は5,0,0)
*階段昇降(15,10,0)
*着替え(15,10,0)
*排便コントロール(15,10,0)
*排尿コントロール(15,10,0)