[お知らせ]


2012年5月11日金曜日

薬剤師の卒後教育に思うこと

調剤薬局が薬剤師としての臨床教育に積極的になれないのはなぜだろうか。
株式会社だから?短期的な利益に結びつかないから?
調剤報酬のためではなく、患者のため、その家族のため、
そして地域のため薬剤師の臨床教育を実施するのは
調剤薬局の果たすべき役割の一つであると考える。
薬剤師育成を薬学部だけに任せる時代はもう終わろうとしている。
現状、調剤薬局における人材育成は主に接遇や
経営的なことに主眼がおかれていると感じている。
とても大切なことでありそれ自体を否定する気はなく、
むしろ必要と感じるが。
肝心の薬剤師卒後臨床教育に関してはどうだろうか。
多くの場合、企業単位での実施はしていないと感じる。

薬剤師の卒後教育をどうするべきか、
これは個々の施設ごとというよりは
もっとスケールの大きなシステムとして構築の必要性を感じる。
本年度より薬剤師の生涯学習支援システム「JPALS」が稼動し始めた。http://www.nichiyaku.or.jp/?page_id=14263
しかしながらいくらこのようなシステムが立ち上がっても、
企業からしてみれば、あくまで一社員の自己研鑽システムであり、
積極的にこのようなシステムを社員に導入し、
薬剤師の臨床研修を実施している企業は少ない。
形だけではなく、本当の意味で地域に貢献すべき人材を育成する為に
研修プログラムを構築している企業があるか。
要するに現段階で多くの調剤薬局は調剤報酬ありきでの人材育成に終始している。

研修認定薬剤師取得の為にeラーニングによる生涯学習制度を推奨している企業は多い。
それ自体は良いと思うがeラーニングで完結してしまう生涯学習制度は
個人的に参考書を読んだのと大きく変わらないと思う。
生涯学習として単位をもらうようなことではなく、
単なる自主的な勉強に過ぎない。
これはその先に目指すもの、地域に貢献すべき人材育成には程遠いい。
いわゆる形だけの取り組みといえよう。

調剤薬局に勤務する薬剤師は卒後教育は個々の会社単位で行われる。
会社により薬剤師の教育方針は様々であり、
学術・臨床的なことはMRや先に述べたeラーニングに
依存しているケースが殆どではなかろうか。
それがダメだといっているのではない。
ただ薬の広告や形だけの研修、調剤報酬のためではなく患者のための教育が必要だ
いつまでも添付文書の「併用注意」で臨床判断できない薬剤師を
放置しておくのは危機的状況と感じるのは自分だけか。

株式会社である調剤薬局はやはり自己の利益のための人材育成しかしないのか。
もう一度、保険薬局・地域薬局の役割を考えてほしい。
調剤薬局は地域の一部としてそこに住む人たちに何が出来るかを。

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