[お知らせ]


2012年4月7日土曜日

総合医療の基本要素



地域医療を考える際にとても重要な要素として
頭に入れておかなければいけないものの一つに、
自治医科大学地域医療学前教授の故五十嵐正紘先生の
「総合医療の基本要素」というものがあります。
 以下は“地域医療日誌 by COMET”先生のブログから引用です。


総合医療の基本要素  自治医科大学地域医療学 前教授 五十嵐正紘編
*10の項目から成っているため、『五十嵐の10の軸』と呼ばれています
学習、研修に当たっては、以下10項目の知識、技能、態度を身につける
(類似語:プライマリ・ケア、総合診療、包括医療、全人医療、家庭医療、地域医療)


◆総合医療の最も重要な基盤は、

1 近接性 
無差別性:患者を選ばない問題を選ばない
精神的:良好な医師患者関係
時間的:時間外の初期救急を含め
経済的:費用効果思考に基づく行動

2 日常性
日常問題、日常病

単純な頻度でなく,頻度×重要度(重症度,影響度)の大きい順に


◆この基盤のもと以下の場で、そのニーズを反映して仕事をする。

3 全人
生物医学的:視点と並行して
心理的
社会的
倫理的:視点からも思考と行動ができる

4 家庭
家庭を一診療単位とした思考と行動ができる


5 地域
地域を一診療単位とした思考と行動ができる
保健、医療、福祉を統合した地域医療を実践する

◆この基盤と場を背景にして、総合医療は次のことを実現する。

6 質の保証
quality of life(いきがい、自己実現)の維持向上を尺度とした医療,保健,福祉の質を保証する思考と行動ができる


7 個別性
個別の事情に応じた思考と行動ができる
多くの選択肢を示しつつ、患者の自己決定の支援ができる

8 生態学的接近
多面的、学際的、有機的、総合的な思考と行動ができる


◆これらを実現するために、以下の役割と責任が必要である。

9 役割
患者の道案内役、弁護士役
患者や医療関係者の調整役、聴き役、説明役、連絡役を担う思考と行動ができる

10 責任
継続性(当面の問題の継続性,生涯にわたる継続性)
責任性(主治医としての)
民主性(患者との対等な関係)
を実現する思考と行動ができる

引用終わり

薬剤師は一部の専門薬剤師を除き、基本的にはプライマリで活躍できる職能を有していると思います。 五十嵐正紘先生の10の軸を手本に薬剤師の業務範囲の中で実践したいと考えています。

2 件のコメント:

  1. リンクありがとうございます。薬剤師さんが実践する「五十嵐の10の軸」、たいへん興味深いですね~!!

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    1. コメントありがとうございます!薬剤師として、プライマリで地域に貢献できるよう、今後も勉強していきたいと考えております!

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